長介の髭 消えないままの痛み

犬と本と漫画、映画にドラマ、ときどきお出掛け。消えない傷を残して、前に歩む毎日。

優しさとは、何か?

いつものWOWOW放送録画で、『生きてるだけで、愛。』という映画を観ました。

主演は趣里さんと菅田将暉くん。原作は本谷有希子さんの同名小説で、

関根光才監督の作品です。

「W座からの招待状」という番組で、放送作家小山薫堂さんが、この映画の印象を次のように記しています。

 

優しさって何だろう?
怒らないこと。
労ること。
傷つけないこと。
でも、時には叱ること。
そのどれかかもしれないけど
そのどれもじゃないこともある。

優しさは、
相手の心に向き合うこと。
自分の心をさらけ出し、相手の心に寄り添うこと。
つまり優しさとは、
心のヌードを見せ合うこと。

 

趣里さん演じる主人公の寧子(やすこ)は、一言で言えば、めんどくさい。

でも、人間だから…仕方ないと思います。早速、原作の小説も読みました。

単行本で、110ページの短い話。主人公の寧子の一人称で綴られています。

それを、映像化した関根才光監督の演出と脚本、趣里さんの演技に驚きます。

 

「過眠症」って、本当にあるのかと思いました。

不眠症に対抗して、寝過ぎを「過眠症」と自分で勝手に呼んでいたつもりだったのに、みんな当然のごとく同じように使っていたのには驚いた。

映画より小説の方が、寧子の内心がそのまま文章化されるので、わかり易いです。

菅田将暉くんが演じた津奈木の描写がほとんどなく、寧子の孤独感がより伝わリます。

「頭おかしいのってなおるのかなあ。あのさ、あたしいっつも津奈木に頭おかしいくらいに怒るじゃん?怒るのとかもすごい疲れるんだよ。なんで怒ってんだか分かんないし、自分で自分に振り回されてぐったりするし、でもがんばろうと思ってバイト行ってもすぐ鬱になるし、鬱なおっても躁になるし、躁が落ち着いたらどうせまた鬱が来るんだとか考えたら、もうどうしていいか分っかんない。ねえ、わたしってなんでこんな生きてるだけで疲れるのかなあ?」

あの後、二人は別れたのでしょうか?それとも…。気になります。