長介の髭 消えないままの痛み

犬と本と漫画、映画にドラマ、ときどきお出掛け。消えない傷を残して、前に歩む毎日。

ファイト!

みゆきさん、こんばんは。
わたしは中学を出てすぐに働いて2年になる17歳の女の子です。
この間わたしの勤めている店で、店の人がわたしのことを
「あの子は中卒だから、事務は任せられない」と言っていたのを聞いてしまいました。わたし、悔しかった。悔しくて悔しくて泣きたかった。

中卒のどこが悪い、と言いたかった。
わたしだって高校行きたかった。だけどうちのこと考えたら、
私立に行くなんて言えなかったし、高校に入る自信もなかった。

なのにこんな風に言われるなんて、ひどい。
ごめんなさい、愚痴を書いてしまって。またお便りします。
ペンネーム「わたしだって高校行きたかった」さん
 
これは、今から38年前に、あるラジオの深夜番組で、読まれたハガキです。

 

その後に起こった幾たびの大震災や今のような大変な状況で、

多くの人に歌われ、勇気と力を与えたあの“名曲”は、このハガキがきっかけ

とも言われています。その曲は、中島みゆきさんの『ファイト!』です。

 

単なる応援歌と言うよりは、逆境に負けるな!闘え!挑戦し続けろ!と

自らを鼓舞し、奮い立たせる歌だと思います。

 

己の力だけではどうしようもないことや、理不尽な扱いを受けた時に、

周りの空気を読んで、闘わず、流されてしまった方が間違いなく楽な筈です。

しかし、後になって、諦めて迎合したことを、たぶん後悔することでしょう。

それが嫌ならば、自分が環境を変えるために闘うと、決めるしかありません。

 

世の中には“闘う人”と“闘わない人”が居ます。有事の時ほど明らかになります。

“闘わない人”に、笑われようが、馬鹿にされても、気にする必要はありません。

ただ黙々と歯を喰いしばり、冷たい水の中を震えながら、昇って行くだけです。

 

余談ですが、38年前に17才ということは、ちょうど同年代です。

今、どうしているのでしょうか?夜学や通信教育で大卒になっているかもしれません。

あるいは、ベテラン事務員になって、大卒新人を厳しく教育しているかもしれません。