長介の髭 消えないままの痛み

犬と本と漫画、映画にドラマ、ときどきお出掛け。消えない傷を残して、前に歩む毎日。

贖罪、人間に戻るために

[薬丸岳]の告解

薬丸岳さんの『告解』を読みました。

題名の『こっかい』とは、キリスト教の幾つかの教派において、

罪の赦しを得る儀式、告白の行為のことだそうです。

よく知られた言葉では“懺悔”とも言います。

 

罪を犯した人がどれほどの償いの気持ちを持っているのかは

他人にはわかりようがない。

口ではどんなことでも言えるし、一時であれば

反省の態度を示すこともできるから

 

薬丸岳さんが、これまでの作品で、繰り返し書いてきた“贖罪”がテーマです。

しかも、今回は、加害者本人を主人公として、書いています。

 

そうなんだ。逃げ続けているかぎり、人は心から笑えなくなるんだと思う

(中略)

いつかおまえが心から笑えることがあってほしいと願う。

 

余談ですが、この本には『悪党』に登場した“あの人”も、出てきます。