贖罪、人間に戻るために
薬丸岳さんの『告解』を読みました。
題名の『こっかい』とは、キリスト教の幾つかの教派において、
罪の赦しを得る儀式、告白の行為のことだそうです。
よく知られた言葉では“懺悔”とも言います。
罪を犯した人がどれほどの償いの気持ちを持っているのかは
他人にはわかりようがない。
口ではどんなことでも言えるし、一時であれば
反省の態度を示すこともできるから
薬丸岳さんが、これまでの作品で、繰り返し書いてきた“贖罪”がテーマです。
しかも、今回は、加害者本人を主人公として、書いています。
そうなんだ。逃げ続けているかぎり、人は心から笑えなくなるんだと思う
(中略)
いつかおまえが心から笑えることがあってほしいと願う。
余談ですが、この本には『悪党』に登場した“あの人”も、出てきます。