長介の髭 消えないままの痛み

犬と本と漫画、映画にドラマ、ときどきお出掛け。消えない傷を残して、前に歩む毎日。

これからの人生

WOWOWで、韓国ドラマ『誰も知らない』の全16話を観ました。

15歳の少年の転落事故と、未解決の19年前の連続猟奇殺人事件、

その謎を追う女性刑事チャ・ヨンジンが、とにかく格好いいです。

(もし日本でドラマ化されたら、刑事役は間違いなく

 天海祐希さんをイメージしましたが、観終わった後では、

 篠原涼子さんも有と思いました)

 

被害者家族の言葉が、強く印象に残りました。

『彼も、私たちと同じように、これからも生きる』

 

このドラマは、人生の「救済」と「復活」がテーマです。

その象徴である、主人公の高校生コ・ウノが、とにかく良い子です。

そして、彼と関わる人々、ドンミョンも、ミンソンも、担任のイ・ソヌ先生、

理事長、ウノの母親、さらにはチャン・ギホまでもが、

コ・ウノに触発されて、次第に良い人へと「救済」「復活」していきます。

 

19年前の連続殺人事件で、ファン係長とチャ・ヨンジンが出逢って、

7年前にチャ・ヨンジンとコ・ウノが出逢い、

そして、不可解な転落事故が起きます。

過去と現在、両方の事件の真相が、徐々に明らかになるにつれて、

コ・ウノの家族やイ・ソヌ先生、クラスメイトたち、

さらには、チャ・ヨンジンが率いる捜査チームのメンバーたちが、

互いに信頼で結ばれて、一つにまとまっていきます。

いつしか、孤独だったチャ・ヨンジンもコ・ウノも、

それによって、「救済」「復活」していきます。

途中から、謎解きは二の次で、

素直に、韓国人って、良い人ばかりだと思える良い話でした。

 

一方で、〇〇〇〇に関わった人々は・・・

そして思わず、口にした言葉

『お前だったら 違っていただろうか』

 

子どもは純粋であるがゆえ、一番辛い時、出逢った大人によって、

強い影響を受けて、天使にも、悪魔にも育つ、と言うことでしょうか。

しかし、それだけではないと思います。

 

『神のお導きだと思わないでください。

 僕が自分で決めたんです』

 

コ・ウノが持っていた本の題名が『これからの人生』です。

開け放たれた窓から、白い小鳥が、外へと飛び立つシーンがありました。

出逢いと、自らの意志による選択が、“これからの人生”を決めます。