長介の髭 消えないままの痛み

犬と本と漫画、映画にドラマ、ときどきお出掛け。消えない傷を残して、前に歩む毎日。

自己と他者

平野啓一郎さんの小説『本心』を読みました。

いろいろと示唆に富んでいて、考えさせられる話でした。

 

『最愛の人の他者性と向き合うあなたの人間としての誠実さを、

 僕は信じます。』

 

人は、自分自身の“本心“さえも分からない時があります。

ましてや他者なら、なおのことです。

それでも、知りたいと思うこと、理解しようと努力して、

あれこれ想像することが、”優しさ“なんだと思います。

 

『優しさとは、しばしば奇妙な、理解を絶した何かなのだった。

 損得勘定からも、理知的な判断からも逸脱した、不合理な何か。』

 

そうした一人ひとりの感情が、世の中を変える第一歩なのかもしれません。