「罪と罰」(その5)・・・人の思い、誰のために?
大門剛明さんの小説が原作の『完全無罪』をドラマ化した
WOWOWの放送を観ました。

「警察の正義とは犯人を逮捕すること、
検察の正義は負けないこと、
私のいた裁判所の正義とは法的安定性。
はっきり言って全部、それだけでは意味のないものにすぎない。
弁護人の正義だって同じさ。そんなことが通じないにもかかわらず
決まりきった弁護をし、不当判決だ何だと吠えるだけで
現実に目を向けていない。
誰もが正義に埋没して、泣くのは無実の人間、弱い立場の者だけ」
「ぼくたちの生きる社会は、法律というルールがあるだろ。
だが、ひとを思う気持ちというのはルールとは関係がない。
(中略)
楽しいだろ?
法律の枠内でひとを見つめるより、
ひとの業に触れていくことのほうが楽しくないかい?」
とても難しい役にも関わらず、主演の広瀬アリスさん、北村有起哉さん
お二人の渾身の演技が見応えありました。
奥田瑛二さんが演じる元刑事の姿勢というか、生き様も考えされました。
思いを込めた時間・・・それが、人のぬくもり
WOWOWで、また素敵な映画を観ました。
二宮和也さんと波瑠さんが主演の『アナログ』です。

「時間・・・ですか」
「ええ、はたから見たら無駄に思えるかもしれませんですけど
料理とか、そデザインとか
思いを込めた時間っていうものが
見ている人に伝わる気がするんですよね」
「それが 人のぬくもりなのかもしれないですね」
良い台詞です。CGではなく、鉛筆の手描きに手作りの模型。
題名の『アナログ』、たけしさんの映画作りの姿勢にも通じる
言葉なんですね。
ニノの演技が自然なのは、言うまでもありません。
波瑠さんも、役柄にピッタリでした。
主演は、この二人以外は考えられません。
さらに脇を固める関根恵子さん、桐谷&浜野Wケンタの配役も絶妙です。
「幸せになりな 人には自分だけの幸せの形がある
それを信じて貫きな」
落語をクラシック音楽と同じと言うのが、
また、たけしさんらしいと思います。
本当に、この映画を観ている間が、ゆったりと流れる“良い時間”でした。
「目を開けば 世界はちゃんと優しい」
映画のラストは・・・
また始まります!
来週から、サッカーW杯のアジア最終予選が始まります。
注目はやはり、三笘選手と久保健英選手の2人ですが、
個人的には、今季からプレミアリーグに移籍した鎌田選手、
2部とは言え名門のリーズに移った田中碧選手も、期待が大きいです。
予想では、オーストラリアとサウジアラビアとの三つ巴だとは思いますが、
直接対戦の勝敗は勿論、FIFAランキングが下位のバーレーンやインドネシア、
そして中国から取りこぼした国が、プレイオフに回る3位以下に脱落すると思います。
また、細谷選手、19才の高井選手のパリ五輪世代の活躍も楽しみです。
藤田譲瑠チマ選手、佐藤恵允選手、小久保玲央ブライアン選手も、
きっと召集されると思います。
加害者にも被害者にもならないために
昔、観たTVドラマを3本思い出しました。
1本目は、NHK大阪放送局が作成した『あなたのブツが、ここに』です。

2022年の8月〜9月の放送です。
仁村紗和さんが演じる元キャバ嬢のシングルマザーが、
尼崎市を舞台に、コロナ禍で宅配ドライバーとして奮戦する話でした。
「無事に届けるんが、俺らプロの責任や。
コロナのせいとかいう話ちゃう。
やり過ごせる相手ちゃう。
腹括られへんのやったらやめてくれ。迷惑や」
そう言えば、仁村さんの役名も“山﨑”亜子でしたね。
“サキ”が濁るかどうかは、忘れてしまいましたが、
娘の咲妃を演じた毎田暖乃さんは、最近だと『虎に翼』でも
主人公の娘さん役です。
そして、もう1本が、コナリミサトさんの漫画が原作で、
TV東京で放送された『珈琲いかがでしょう』です。

2021年4月〜5月に放送されました。
こちらは、訳ありの主人公の青山一を中村倫也さんが演じていました。
彼が一杯ずつ丁寧に淹れた珈琲と何気ない言葉が、
仕事や生活に疲れた人たちを癒す話です。
「僕もこの仕事は丁寧にやるしかウリがない。
でも丁寧にやっていれば こうやっておいしいって
飲みにきてくれるお客様もいます」
「言いましたよね。見てる人は見てくれてるって」
あと1本が、同じコナリミサトさんの漫画が原作で、
黒木華さんが主演の『凪のお暇』です。

2019年の7月〜9月に、6チャンネルで放送され、
中村倫也さんも、謎の隣人役で出演していました。
「空気は読むものじゃなく、吸って吐くものだ」
「しばしお暇をいただきます」
主人公の大島凪は、これまで必死に取り繕っていた
目立たず真面目なOLや健気で献身的な恋人を、すべて辞めて、
家財道具も人間関係もすべて断捨離引して、
都会のマンションから郊外の6畳一間のボロアパートに引越し
人生を0から生き直す話です。
映画『ラストマイル』で、満島ひかりさんが演じた舟渡エレナも、
これからそうするのかな、と思いました。
そう言えば、『アンナチュラル』の第4話で、
「我が家」の坪倉さんが演じた役の名前も、
佐野親子と同じ“佐野”なんですね。
“やっちゃん”ではないみたいですが。
居場所がないのではなく、関心がない
現在放送中のTVドラマの中で、気になる番組があります

それは、『GO HOME 〜警視庁身元不明人相談室〜』です。
特に今日放送された第6話は、新宿歌舞伎町のトー横キッズを扱った話でした。
実際の彼女たちを、どこまで正確に描いているのかは、
自分には分かりません。
それでも、丁寧に、演じられていたんじゃないかと思います。
「推しが居なくなっても、あなたは居なくならないでね」
「生きていれば、また必ず推しに会えるから」
主演の小芝風花さんが演じる主人公が、
一生懸命かつ真摯に、関係者やご遺族と向き合う姿が印象的です。
原作はなく、オリジナル作品のようです。
このドラマを観て、「人薬」という言葉が、浮かびました。

「助けると言っても、何もせんでええ、
(相手)の所へ話を聞きに行くだけでええ。
苦しいとか、死にたいとか、
暴れとればそこへ行くだけ行って、
そこで温かい関心を持って、
そこにおってくれさえすれば、
(相手)は自分でバランスをとっていく」
「必要なのは、
時と場所を共にしてくれる人なのだ。
温かい関心をもって話を聞くことができれば、
奇異に思えていた(相手)の行動の意味が見えてくる。
理解できた喜びは(相手)にも伝わるため
(相手)は独自な存在として
自己を肯定し、自由の実感を取り戻せる」
この言葉は、ドキュメンタリー映画『精神』と『精神0』で、
(相手)の部分は、すべて「患者」という言葉がありました。
ピッタリの文章だと思いますが、どうでしょうか?
TVドラマのエンディングは、あまり出来過ぎで、
リアリティがないですが・・・
ファミリー向きのドラマとしては、仕方ないかと。

