人間力
「取り調べを受ける人間は参考人という記号じゃない。
親が付けた名前がある人間です。相手に真実を吐かせようと思ったら、
人間として向き合うべきでしょう」
柚月裕子さんの小説『検事の本懐』からの引用です。
ぼさぼさの髪によれよれのスーツ、いまどきの者にしては身なりに無頓着。
若いが目に妙な落ち着きがある新人検事の佐方貞人(さかたさだと)の言葉です。
彼の上司は、彼を見て思います。
人間性に年齢は関係ない。その人間が持つ懐の深さは、
生きてきた時間の長さではなく、そのなかで培われた価値観や倫理観による
ものだと思う。若くても懐が深く底が見えないやつもいれば、
歳をくっていても底が透けて見えるやつもいる。佐方はまだ若い。
しかし、やつは他人の内面を読み取れる、深い人間性を持っている。
いったいどんな生き方をしてきたのか。
上川隆也さん主演で、TVドラマにもなったようです。
あらためて大事なのは、人間力だと思いました。