長介の髭 消えないままの痛み

犬と本と漫画、映画にドラマ、ときどきお出掛け。消えない傷を残して、前に歩む毎日。

当時者研究

細川貂々さんの新刊『生きづらいでしたか?』を読みました。
副題として『私の苦労と付き合う当時者研究入門』となっています。

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ツレうつ以来、貂々さんの本は漏れなく読んでいます。そして、どの本もそうなんですが、難しい言葉を一切使わず、全文が“平易な文”と“ゆるいイラスト”ばかりで、すうっと短時間で読めてしまいます。そのあまりの情報量の少なさと、ハデな描写や表現のなさに、物足りないと感じるほどです。

でも、何かが気になって、2回目を読みます。すると今度は、ハッキリとした言葉に出来ないほどの小さなモヤモヤが、心の奥に湧き起こってきます。それが何か知りたくて、また読み直してしまいます。たぶんそれは、貂々さんが真摯に自分と向き合って、自分が感じたこと、気が付いたことを、そのまま人に伝えたいという、一途な姿勢と強い気持ちから来てるんじゃないかと、勝手に思っています。

「弱さ」の情報公開、「見つめる」から「眺める」、ひととことを分ける、社会と擬態できるひと
など一見すると、不思議な言葉、世間一般では通用しない、真逆で非常識なことが出て来ます。

でも実は『当時者研究』については、だいぶ前から知っていました。そもそも一番最初は、今から10年くらい前、ある勉強会で森田貴英さんという弁護士がプロデュースした映画『降りていく生き方』を観て、その原作本を読んでみたら、「べてるの家」という不思議な団体のことを知りました。
それ以降、興味を持ち、向谷地さんの本は何冊も読みました。