長介の髭 消えないままの痛み

犬と本と漫画、映画にドラマ、ときどきお出掛け。消えない傷を残して、前に歩む毎日。

#ノンフィクション、エッセイ

誰がために、真実を追求するのか

先日、映画館で観た映画『新聞記者』の原作ではなく、原案のノンフィクション新書を読みました。 作者は、現役の東京新聞の社会部記者、望月衣塑子(いそこ)さんです。 新聞記者の仕事とは、ジグソーパズルを作るときのように、ひとつずつ真実を認めさせて、 …

本来の「福祉」とは?「障害」とは?

自分では、分かっているつもりでいましたが、はっきりと明快に記した“文”に出会いました。 「福祉」という単語を辞書で引くと、国語辞典には"「公的配慮によって社会の成員が等しく受けることができる安定した生活環境」と書いてあり、英英辞典には「the hea…

当時者研究

細川貂々さんの新刊『生きづらいでしたか?』を読みました。 副題として『私の苦労と付き合う当時者研究入門』となっています。 ツレうつ以来、貂々さんの本は漏れなく読んでいます。そして、どの本もそうなんですが、難しい言葉を一切使わず、全文が“平易な…

私は人間だった。それは戦う者だということを意味している

「人は最初から人に生まれたのではない。人になっていくのである」 「暑さ寒さに苦しんだ者でなければ、人間の値打ちなんてわかりはしない」 「世には、なに一つまともに企てないがゆえにあやまつことも全然無い人間がいる」 「行為または忍耐によって改善し…

大事なのは読んだことがない本ではなく、読んだ本

いつものように、図書館で借りた本を読み終えました。でも、いつもと違って、その本を即、アマゾンで注文しました。その本とは、沢木耕太郎さんの25年にも及ぶ全エッセイ集『銀河を渡る』です。 旅はもうひとつの「生」を生きるためのものだ、という考え方が…

人が回復するのに、締切も限界もない

たまたま図書館の新着コーナーで手にした本を読んで、心がスッキリして、軽くなりました。 その本とは、児童精神科医・医学博士である夏苅郁子先生の『心病む母が遺してくれたものー精神科医の回復への道のり』と『もうひとつの「心病む母が遺してくれたもの…

10年後の自分への手紙

『24時間テレビ』や『金スマ』を見た人は、知っていると思いますが、野田あすかさんのご両親が書かれた本、『発達障害のピアニストからの手紙―どうして、まわりとうまくいかないの?』を読みました。 この本の最後には、あすかさん自身が書いた「10年後の私…

大人のカサブタ

この前、日吉の本屋さんで買った本のうち、カウンセラーの諸富祥彦(もろとみよしひこ)先生の『人生を半分あきらめて生きる』を読み終わりました。 このように、人生の大半は、「いくらどうにかしたいと思っても、どうしようもないこと、あきらめなくてはな…