10年後の自分への手紙
この本の最後には、あすかさん自身が書いた「10年後の私へ」という手紙が載せられていました。
少し長文ですが、全文を引用させていただきます。
あなたは、おだやかに生活できていますか?
人のことを信じられるようになりましたか?
自分をせめたりせずに、毎日すごせていますか?
今の私は、まわりにたくさん自分を理解しようとしてくれる人を見つけられるようになりました。
こころはまだ許せないけれど、少しずつ自分のこころを人に見せてもはずかしくないと思えるようになりました。
まだまだすぐ、自分はダメだって思ってしまうけれど、もしかしたら自分にも何かできるかもしれないって思えるようになりました。
今はまだ自分のことに必死で、人のために何かをするということはできていません。
だけどいつか今までたくさんの愛情を私に送ってくれた人たちに、ありがとうって伝えられるようになりたいです。
あなたは、ありがとうって伝えられるようになっていますか?
あなたは、みんなのココロがしあわせななれるような、ピアノの音が出せるようになっていますか?
小さなしあわせをもらったとき、私はすぐにありがとうって言いたいけど、なかなかまだ言えません。
大きなしあわせをもらったときは、私はビックリして、ありがとうって言うのを忘れてしまいます。
今はまだしあわせを、たくさんもらってばかりの私です。
10年後の私は、みんなにしあわせをたくさん伝えられる人になっているのでしょうか。
みんなが私のピアノを聴いて、ただそれだけでしあわせになってくれるようなピアノが弾けるようになっているでしょうか。
今はなかなか伝えられないけど、私は今の私のまわりの人たちがとっても大好きです。
私のまわりの人たちが10年後も、しあわせでありますように。
私のピアノでもっと、しあわせを感じでくれていますように。
野田あすか
果たして発達障害とは、何なのでしょうか?周りと同じことが出来ないことが、本当に“障害”なのでしょうか?自分自身、50歳を超えているのに、これほどまでに冷静に現在の自分と向き合って、さらには10年後の自分に対して、これほどまてに素直に手紙を書ける自信がありません。