長介の髭 消えないままの痛み

犬と本と漫画、映画にドラマ、ときどきお出掛け。消えない傷を残して、前に歩む毎日。

人は、正しいか間違っているかじゃなく…裏があるかないか

最近、気になっている漫画があります。
その漫画とは、小学館の「ビッグコミックオリジナル」に連載中の、香川まさひとさん原作、月島冬二さん作画の『前科者』です。たまたまブックオフで見つけて、1巻、2巻を買いました。つい先日、3巻が発売されたばかりです。

私…甘いのかなって

佳代ちゃんのやりたいようにやりゃ、大丈夫だよ。

でも 私…間違うんじゃないかって…

そりゃ佳代ちゃんは間違うっしょ
でも人ってのは
正しいか、間違ってるかじゃねえから。
…人に対して 裏があるかないか だから

だから 佳代ちゃんの思った通りに
やりゃいいんだよ。

主人公は、刑務所や少年院を仮釈放・仮対所して、保護観察処分を受けた人たちの更正を支援するボランティアの非常勤公務員“保護司”です。
そして、鬼ブルーの佳代ちゃんを励ましているのが、保護観察処分中のムショ帰りのお姉さん。
自信を喪失して、励まされている“佳代ちゃん”の方が、保護司なんです。

一銭にもならないから やっているんです。
保護司の仕事をしなければ、私はお金だけのために生きている事になる。
そうです。きれいごとです。
私だって本音はお金が欲しい。面倒くさい。自分勝手に生きたい。
だけど、それだけじゃ みじめ過ぎる。
きれいごとが言える間は、きれいな その部分で人と接したい。

一度は、間違って道から外れた人たちと、真っ直ぐに向き合って、彼らの居場所を探す手伝いをしていく、とにかく、人間くさいお話なんです。きっと近い将来、テレビドラマ化されると思います。主人公を演じるのは、『ケンカツ』のえみるちゃん役の吉岡里帆さんが良いと思いますが、どうでしょうか?

三日月って、優しい丸い部分と、冷たく刺すような尖った部分の両方があるでしょ?
人はみな三日月だから、満月になりたく 誰かを求める。
だけど完全な満月になるなんて 所詮できない。
だったら 周りにいるみんなと、丸に近づけないことを 一緒に哀しめばいい

絶対に間違わない完全な人間なんていない。人は誰でも必ず間違う。だから、人は支え合って、補い合っていけば良い。それには、人に対して裏がないのことが、何よりも大切だと気づかせてくれます。

自分を救うのは…まずは自分