長介の髭 消えないままの痛み

犬と本と漫画、映画にドラマ、ときどきお出掛け。消えない傷を残して、前に歩む毎日。

今さらの村上主義者

本屋さんで、新刊文庫『村上さんのところ』を見つけて、躊躇せずに買いました。

ちなみに、「新刊即買」作家は、あと宮部みゆきさん、細川貂々です。他に「新刊即図書館予約」(前は「新刊即ブックオフ108円買」でしたが、便利になりました)の作家は、10人くらい居ますかね。

そのせいで、自宅の寝床の横には、読み終わった本と読みたいけどまだ読んでない本が、高さ1メートルまでにあって、恐らくは200冊くらいになっています。あと、捨てるつもりの本100冊くらいが廊下に山積みに。さらに、3つの本棚には、何冊か数えたことがない本があります。これらの本を、自分が家を出る日までには全部、ブックオフに出さなくてはと思いつつ、未練を断ち切れずに来たしまいました。今年中には、決断するぞ。オー!

で、話を春樹さんの本に戻します。やっぱり春樹さんの文章って、読むと確実に中毒になります。間違いなく伝染ります。(必ず全員がそうなる訳ではありませんが、少なくとも、自分はなります)ってカッコ書きが、既にその症状!?さらに「好むと好まざるにかかわらず」って、書き始めたら、だいぶ重症です。

思えば、初めて読んだ春樹さんの小説は、「ダンス・ダンス・ダンス」でした。元々は、学生のころから推理小説SF小説、スパイアクションもの、そして歴史小説を貪り読んできましたが、日本人作家は食わず嫌いでした。ましてや純文学なんて、村上春樹なんて、ミーハー(最近は死語ですか?)なものだと完全にバカにして、全く興味ありませんでした。

それが、お姉ちんと出会って、最初のころに仕事に対する姿勢の話から、「自分はユミヨシさんみたいになりたい」との言葉を受けて、お姉ちんへの興味から、買って、読んで、引き込まれ、必然的に「羊3部作」を読み、他の長編小説、短編集、エッセイ、紀行文、ノンフィクションを読破しました。(若いころも今も、惹かれた作家に出会うと、全作品、特に超大作から読み切ります)そのときも、お姉ちんに「メールの文体が、春樹さんぽくなってる」と言われました。

自分にとって、お姉ちんは、ユミヨシさんと言うよりは、ある時はユキであったり、「国境の南 太陽の西」の島本さんでもあり、「ノルウェーの森」の直子さんであり、ときどき緑さん、部分的には「ねじまき鳥クロニクル」の笠原メイちゃんだったりします。

このブログを、例えば10年間とか、続けられることが出来たとしたら、自分なりの「ノルウェーの森」を書きあげてみたい、なんて考えたりもします。

I once had a girl, or should I say, she once had me
自分がこれまでの人生の過程で失ってきた多くのもののことを考えた。
失われた時間、死にあるいは去っていった人々、もう戻ることのない想い。

きっと、自分も今を振り返ることで、そんな想いを抱くんだろうなぁ、と思いました。