長介の髭 消えないままの痛み

犬と本と漫画、映画にドラマ、ときどきお出掛け。消えない傷を残して、前に歩む毎日。

事前予約のみの限定販売です。

今日、10月14日は新橋〜横浜間に鉄道が開業してから150年の記念日です。

それにともなって、全国各地で記念のイベントや企画が実施されました。

そのうちの一つが、横浜市民のソールフードと言って良い、

あのお弁当の復刻版が、事前予約のみで限定3,000個だけ販売されました。

 

予約開始日にネットで申し込みをしようとしたところ、

最寄りの販売所は、なかなか繋がらず、やっと繋がったと思ったら、完売の表示。

ようやく、江戸川区小岩駅の販売所で予約が出来ました。

それで、今日、買いに行きました。

 

崎陽軒シウマイ弁当です。

まず包装紙が、発売当初の復刻になっています。

中のおかずも、幾つか今とは違っています。

間違い探しのようですが、横浜市民なら全員が分かると思います。

唐揚げ→海老フライ、マグロ→ブリの照り焼き、紅生姜と昆布→福神漬け、

シウマイの数も5→4個になっています。

あと、あんずが無くて、セロリの塩もみ?が入っていました。

さらに卵焼きが厚い気がしますし、蒲鉾は紅白でなく真っ白でした。

そして、記念品は、こちらの横浜開港資料館所蔵の錦絵A6クリアフォルダです。

ちなみに、シウマイ弁当は、昭和29年(1954年)に発売開始、値段は100円とのこと。

70年近い、鉄道のおよそ半分くらいの歴史があります。

なお、シウマイ弁当以外にも、全国で34種類の復刻版駅弁が発売されましたそうです。

 

小岩駅では、あわせて開業150年を記念して、

駅弁大会もやっていました。

せっかくなので、岩手県盛岡駅の鶏舞弁当を買いました。

どちらも、美味しく頂きました。

ただ正直言って、私は今のシウマイ弁当のおかずの方が好きです。

流儀、そして信念

久しぶりに、やられました。

第4話の「がて」が、本当にヤバいです。

読んでいて、心が震えて、涙が溢れ出ました。

 

さらに、驚愕のラストに、再度、やられました。

そんな小説です。

 

その小説は、城山真一さんの『看守の信念』です。

前作の『看守の流儀』を未読の方は、必ず前作から読んでください。

そこで、まず、前作のラストで驚くと思います。

それから、2作目の『看守の信念』を読んでください。

間違っても、逆の順番で、読んではいけない連作となっています。

 

どちらも看守=刑務官が主役の話です。

刑務官とは、令和4年度の刑務官募集ポスターの文章をそのまま引用すると

刑務官は、刑務所、少年刑務所又は拘置所に勤務し、

被収容者に対し、日常生活の指導、職業訓練指導、悩みごとに対する

指導などを行うとともに、刑務所等の保安警備の任に当たります。

 

 

 

『楽観主義』と私心無く、善なる動機

昨日一昨日と偉大なリーダーお二人が、亡くなられました。

そのお二人に共通することは、如何に困難な状況にあっても

高い理想を掲げて、強い思いを抱いて、決して諦めなかったことです。

そして、お二人とも、利他的であり、常に謙虚なリーダーだったようです。

お二人の勇気ある行動には“私心が無く”、純粋な“善なる動機”によって

率いられた組織は、人々の予想を大きく覆す変革を成し遂げました。

その結果、社会や人々に対して、多大なる利益をもたらしました。

 

常に明るさを失わず努力する人には、神はちゃんと未来を準備してくれます

 

「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」ことが

物事を成就させ、思いを現実に変えるのに必要なのです。

 

自分の運命は自分で管理しなさい。

でなければ、あなたはだれかに自分の運命を決められてしまう。

 

自分自身を信じ、強烈な願望を抱いて、目標を追い続けなければならないのです。

そうすれば、夢を実現させることができると、私は信じています。

 

人生というドラマにおいては、自分を主役にして脚本を書いた人と、

目的意識もなく惰性で生きた人とでは、たいへんな違いができるのです。

 

世の中に失敗というものはない。チャレンジしているうちは失敗はない。

あきらめた時が失敗である。

 

これは、京セラの元会長である稲盛和夫氏の言葉です。

そして、もう一人は、ロシアのミハイル・ゴルバチョフ氏です。

 

心が変われば、態度が変わる。態度が変われば、習慣が変わる。

習慣が変われば、人格が変わる。人格が変われば、人生が変わる。

 

相手に平和を与える人は、自分も平和を得ることになります。

 

自分の間違いを認めることは、非常に難しい。

しかしそれをしなければ、先には進めない。

 

昨日成し遂げたことが、大きく見えるのだとしたら

今日はたいしたことをやっていない。

 

何より大切なのは、自分が成功しようとしまいと

悠然として、自信を失わないこと。

家族や友人、そして自分を信じて、権力や名誉などなくとも

立派に生きていけることを、確信してゆくことです。

 

我々は、自分の経験から、なにもしないことの誤りを知っている。

 

平和とは、同じものに統一することではない。

お互いの差異を認め合い、多様性の中で団結するということだ。

 

いままで使ってきた方法や手段で、

今後も問題を解決できると思っているとしたら

その考えは甘いと言わざるを得ない

 

これからも辛い時には、これらの金言を思い出して、

一歩ずつ、自らが描いた理想に向けて、進んで行きたい。

また、そのように生きたいと思います。

 

何があっても『楽観主義』で

自分を信じて、自らの心に“私心”の有無を問い続けて

周りの人達たちを信じて、“善なる動機”で

社会や組織、日本を信じて、世界の人々の叡智を信じて、

いつか必ず、人類はコロナを克服して、

ウクライナに、全世界に平和が訪れますように!

「土砂降りの雨」と 「大きな傘」

是枝裕和監督の最新作『ベイビー・ブローカー』を観ました。

この作品は、紛れもなくもう一つの『万引き家族』の話だと思います。

 

冒頭は土砂降りの雨の中を、韓国の大人気歌手であるIU(イ・ジウン)が

傘も刺さずにずぶ濡れで歩いている暗い場面から始まります。

それが話が進むにつれて、画面は徐々に明るくなり、

綺麗な景色や青空が広がっていきます。

ネタバレは避けますが、かなり“救いがある”ストーリーでした。

 

生まれてきてくれて ありがとう

 

捨てられた子どもでなく 守られた子どもなんだ

 

是枝監督は、あるインタビューでこの映画の着想を

福山雅治さん主演の映画『そして父になる』の撮影中に得たと

答えていました。その意味で、副題を付けるとすれば、

『そして母になる』なのかもしれませんね。

なお、ラストシーンも、他の是枝監督の作品と同様に

視聴者に判断を委ねるようになっています。

とても“優しい“映画でした。

 

綺麗事かもしれませんが、

「土砂降りの雨」のような過酷な現実にさらされたとしても、

「大きな傘」に守られることによって

すべての子どもたちが、

「自分は生まれてくるべきじゃなかった」

「自分が居ることで、他の誰かを不幸にしているのでは」

と思うことがない世界になって欲しいと思います。

足る知るということ

上野樹里さんと田中圭さんが主演のTVドラマ『持続可能な恋ですか?』。

今日が最終回でした。

その中で、松重豊さんが演じる国語辞典編纂者が、老子の言葉を口にしていました。

ドラマで引用された部分の前から、書くと以下のとおりです。

 

人を知る者は智、自ら知る者は明なり。

人に勝つ者は力あり、自ら勝つ者は強し。

足るを知る者は富み、強(つと)行う者は志あり

其の所を失わざる者は久し

死して而も亡びざる者は寿(いのちながし)。

 

たとえ、他人を理解することが出来たとしても、

本当の自分を知ることは難しく、

また、他人に勝つよりも、自分に勝つことの方が大変です。

今の自分に満足が出来れば、心は豊となります。

さらに、努力を続けていくことで、やがては志となって

それを自分を見失わず死んで行ければ、長寿となるという意味です。

 

特に大切なことは『足るを知る』です。

そもそも、本当に自分が求めているものが何なのか、

それをちゃんと知らない限り、

今の自分に満足している、とは言えないと思います。

前回の河井継之助の和歌にも通じる良い言葉だと思いました。

高望みをしないで、身分相応で満足するべきだという意味ではなく、

他人と比べて、自分にはない外的な価値=名声や地位、お金を求めるのではなく、

今の自分自身の内面にあるもの=夢や希望、信念、思いやりを大切にしていく。

さらには、そのことに対しての“感謝の心”だと思います。

 

「常在戦場」とは?

役所広司さん主演、司馬遼太郎原作の映画『峠 最後のサムライ』を観ました。

2020年の9月に公開予定だったのが、コロナ禍の影響により3回の公開延期となり、

奇しくも、ロシアによるウクライナへの侵攻中での封切りとなったことに、

不思議な巡り合わせを感じずにはいられません。

 

もし、自分がウクライナ人だったら、

もし日本が他国からの侵略を受けたとしたら、自分はどうする?

逃げる?それとも銃を持って戦う?

その時の自分の立場や年齢、家族の状況などによって、

単純に決められることではありません。

 

役所さんが演じた長岡藩の家老 河井継之助

その潔い覚悟には、心に響くものがありました。

避けることが出来ない歴史の大波に襲われた時、

その中でも、来たるべき未来を真っ直ぐ見通した上での確固たる判断していく。

それは、長岡藩に代々伝わる家訓『常在戦場』があってのものだと思います。

いつ、いかなる時でも、常に戦場に居るのと同じ緊張感と覚悟を持って

日々を過ごすこと意味しています。

 

『人には、それぞれ天から与えられた役割がある』

 

『命なんざ、使う時に使わねば意味がない!』

 

『行うべきことを、行わなければ、後の世はどうなる?』

 

その心構えと日々の修練があればこそ、

非常時であっても、平常心で、大事に当たれるのだと思いました。

自分もそのように、在りたいと思いました。

また、そんな彼を信じて、離れても待ち続けた妻の松たか子さんに、

義母が言った言葉も素敵でした。

 

『愛とは、互いに見合うことではなく、

 同じ方向を見つめること』

 

映画は、河井継之助が好きだった、古今和歌集の歌が

映されて終わります。

 

かたちこそ深山がくれの朽木なれ

心は花になさばなりむ

 

映画は、河井継之助が好きだった、古今和歌集の歌が

画面に映されて終わります。

 

蔵の財=経済的な豊かさよりも、

身の財=教養や立場、地位、健康などがより大切ですが、

その身の財よりも、心の財が第一です。

すべてが、自身の心で決まります。

たとえ見た目は、山奥の枯れ木であったとしても、

自らが、心に花を咲かせようと思えば、咲かすことが出来ます。

まさに“心こそ大切なれ”です。

戦争と平和(その6)

今、NHKのBSで再放送されているドキュメント番組

『“独裁政権”と戦う女性たち〜ベラルーシに自由を〜』を観ています。

 

取材された時期は、昨年の夏から冬です。

そして、番組は、先月の4日に放映されました。

ロシア軍によるウクライナ侵攻の20日前です。

 

これを観れば、プーチンが恐れていること、

ウクライナに攻め込んだ本当の目的が分かります。

彼が求めている国家のかたちが分かります。

なぜ、ロシア軍が侵攻前にベラルーシで大規模な軍事訓練を行ったか

なぜ、EU諸国が今回の侵攻に対して、一致して強硬態度をとったのか

どの報道番組の有名解説者、大学や軍事関係の専門家の説明よりも

よく分かります。

 

番組で紹介された2020年のベラルーシの大統領選挙に立候補した

チハノフスカヤ氏が昨年11月24日にEU議会で行った演説の全文が知りたくて

ネットで検索しましたが、共同通信の短い記事とそれを載せた

地方新聞の記事しか見つけることが出来ませんでした。

NHK以外の大手マスコミは、報道していないのでしょうか?

ウクライナよりも深い闇が、ベラルーシにはあるのでしょうか?

リトアニア」「チハノフスカヤ」で検索しても最新情報はヒットしません。

 

われわれ一人ひとりの気が狂うことは稀である。

しかし、集団・政党・国家・時代においては、日常茶飯事なのだ。

フリードリヒ・ニーチェ

 

何が真実か、何が正しいか、常にそのことを自ら考えて、自ら問い続けて、

これからも選び続けて生きていくしかないだと思います。

 

大切なのは、自らにとって本当であるような真実を見つけることであり、

そのために生きまたは死ぬことができるような思想を見出すことである。

セーレン・キルケゴール