長介の髭 消えないままの痛み

犬と本と漫画、映画にドラマ、ときどきお出掛け。消えない傷を残して、前に歩む毎日。

夢追い人

映画にも「食わず嫌い」というものがあるもので、

劇場公開時に評判が良くても、マスコミ宣伝や予告映像とかを観て、こんな映画だろうと

決めつけてしまったまま、観るのを避けてしまうことってありませんか?

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まさにそんな作品でした。

WOWOWで放送されたのを、話題にもなったし、一応は録画しておいて、

そのまま一年近く観ないで放って置きました。なんの気無しに観てビックリ!

間違いなく、印象に残る映画でした。その作品は『ラ・ラ・ランド』です。

脚本・監督はデミアン・チャゼル、主演はライアン・ゴズリングエマ・ストーン

映画のタイトルは、ロサンゼルスと「現実から遊離した精神状態」を意味するそうです。

映画女優になることを夢見て、オーディションを受け続けているミアが、 

自分の店を持つ
自分たちの好きな曲を
好きなときに
好きに演奏する
それが純粋なジャズであるなら

と夢を語るジャズピアニストのセバスチャンと出会って、最後には…

 

 特に強く印象に残ったのは、ラスト近く、ミアがオーディションで、

自分が女優を目指すきっかけになった伯母のことを歌った場面です。

 

「AUDITION(THE FOOLS WHO DREAM)」

でもまた飛び込むと言った
どうか乾杯を 夢追い人に
たとえ愚かに見えても
どうか乾杯を 心の痛みに
どうか乾杯を 厄介な私たちに
私は忘れない あの情熱の炎
(中略)
少しの狂気が
新しい色を見せると
明日は誰にもわからない
だから夢追い人が必要と
反逆者たちよ
さざ波を立てる小石よ
画家や詩人に役者たちよ
そして乾杯を夢見る愚か者に
イカれてると見えても
どうか乾杯を

 

 この作品は、第89回のアカデミー賞において、あの『タイタニック』に並ぶ

史上最多の14部門にノミネートされて、惜しくも作品賞こそ逃しましたが、

監督賞や主演女優賞を始めとして6部門を授賞しました。

間違いなく、その年を代表する作品でした。