長介の髭 消えないままの痛み

犬と本と漫画、映画にドラマ、ときどきお出掛け。消えない傷を残して、前に歩む毎日。

新しい年の始まりに、爽やかなお話です!

2019年。平成最後の年が始まりました。
今年の1冊目は“イヤミスの女王”と言われる、湊かなえさんの最新作『ブロードキャスト』です。
ところが、意外にも期待に反して(決して新年早々、イヤミスを期待したわけではありませんが)、最後まで爽やかな“青春学園小説”でした。
話の舞台は、地方の有名私立高校の放送部です。途中で、教室内の“イジメ”が、テーマとして取り上げられますが、特に『告白』のようなエグい展開となることもなく、生徒が死んだりもしません。湊かなえさんにしては、完全に肩透かしを受けてしました(そう言えば、4チャンの新しい学園ドラマは『告白』系なのでしょうか?)。

「言葉を電波に乗せ、多くの人に発信できるようになった現代。操作の簡易化に伴い、言葉まで軽視されるようになったのではないでしょうか。手遅れになる、改めて、言葉について考えてみませんか。電波を取り払った状態で。その思いを込めて、この作品を作りました。」

湊かなえさんの作品に対する“思い”が、ストレートに書かれています。
正直言えば、期待はずれでしたが、新しい年の始まりには、相応しい作品でした。