長介の髭 消えないままの痛み

犬と本と漫画、映画にドラマ、ときどきお出掛け。消えない傷を残して、前に歩む毎日。

プロフェッショナルとは?(その2)

今日の午後10時25分から、地上波の1チャンネルで放送された番組を観ました。
以下は、番組ホームページからの引用です。

仕事の流儀には、その人の生き方が現れる。 『プロフェッショナル 仕事の流儀』は、さまざまな分野の第一線で活躍中の一流のプロの「仕事」を徹底的に掘り下げるドキュメンタリー番組です。

ADHD自閉症、虐待による心の傷など、子どもの“心”を診る小児神経科医・福井大学子どものこころの発達研究センターの友田明美先生に密着した内容でした。

しかし実際は、友田先生は“子どもの“心”を診る”ために、その“親”そして“家族”と、向き合います。「親が変われば、子どもが変わる」「誰も見捨てない」「最後まで寄り添って見届ける」を信念として掲げて、主治医と患者という関係を超越して、相手に向き合うというより、どんどん“踏み込み”“介入“していきます。友田先生は、決して親を責めることはせず、自分の失敗談まで話して心を楽にしてあげ、時にやは何年間にも渡って悩める親子を励まし続けるそうです。

子育てに悩むすべての親に伝えたい想いがある。
「人間は失敗しない生き物じゃないですよね。人生の中で、いっぱいトライアンドエラーして、そして大人も子供も、成長していくんじゃないですか。私もいっぱい失敗してきたし、最初から完璧な親はいません。赤ちゃんがオギャーと生まれて、0歳になったら大人も0歳。赤ちゃんが育って、よちよち歩きになる3〜4歳のころに、やっと親も3〜4歳の経験になる。人生はライフサイクル、一回しか味わえない。その中で、出会えた我が子ですよ。その我が子との貴重な機会を、子育ての機会を、エンジョイしていただきたい。もうそれだけです」

友田先生は、自分は「おせっかい」だからといって、明るく笑っていました。
「それでも、決めるのは本人たちだから。自分には、できることと、できないことがある」と、おっしゃって笑った顔の奥に、例えそれが無理と分かってても、一歩も引かない“心の強さ”を感じました。

そして番組の最後、「プロフェッショナルとは?」と聞かれて、毅然として

「降りかかる困難から逃げずに、正面から向き合って、失敗を恐れずに、前向きにチャレンジする人」

と言い切りました。
そして、にこやかに微笑んだ友田先生を見て、若い頃に聞いた言葉を思い出しました。

一人立てる時に強き者は、真正の勇者なり。フリードリヒ・フォン・シラー

シラーは、あのベートーヴェンの第九『歓喜の歌』の原詩を書いたドイツの詩人です。
あらためて、自分はまだまだ中途半端だと、反省しました。やっぱり友田先生は“かっこいい”です。若い頃、こんな“かっこいい”大人になりたかったのですが、“かっこいい”50歳には、なれませんでした。もしかして、今から頑張ばれば“かっこいい”60歳になれるでしょうか?