長介の髭 消えないままの痛み

犬と本と漫画、映画にドラマ、ときどきお出掛け。消えない傷を残して、前に歩む毎日。

いやはや何とも…

…すごい映画です!
WOWOWで、ナイト・シャマラン監督の『スプリット』を観ました。

シャマラン監督の作品と言えば、これまでの『シックス・センス』や『ヴィレッジ』など、必ずラストに明かされる驚愕の“ドンデン返し”が有名です。本作品も、その期待を裏切りません。それどころか、これまでにないくらいに、トンデモナイ作品でした。

題名の『スプリット』とは、“裂ける”“分割する”という意味です。
正直、公開前に予告編を観たときは、有りがちの○○○○○○○を主人公にしたサイコスリラー作品だと思っていました。今更感があって、何でこんな使い古された題材を、鬼才シャマラン監督が扱うのかと、とても失望して、まったく期待していませんでした。

それが、今回観てビックリ!恐れ入りました。さすがとしか、言えません。
主人公の家だと思っていた場所が何処かが、最後の最後に明らかになるのは、これまでの作品同様に「ハッ」として、気持ちが良いです。脳科学者の茂木先生が言う「アハ体験」の爽快感を味うことが出来ます。そう言えば、関連する話が頻繁に出ていたので、納得しました。

そしてそれ以上に、“人の進化”や“痛み苦しみ”の意味“自分が存在する理由”など、哲学的なテーマを感じました。○○○○○○○は○○○の○○ による○○○○が、原因であることまでは、予想どおりす。それが、まさか、○○○と結びついて、○○○○の誕生する話になるとは。さらに、ラストにあの人が登場して、実は本作品があの作品の続編で、三部作として次作に繋がっていくとは思いませんでした(伏字ばかりでスミマセン!ネタバレ厳禁。それがシャマラン作品なんです)。○○医が言った次の台詞には、思わず唸ってしまいました。

「心に傷を負った者が、私たちより優れているとしたら?」

なんと言っても、ジェームズ・マカヴォイさんが、難しい役を演じ切る怪演に圧倒されます。
また、もう一人の訳ありの主人公を演じた、アニャ・テイラー=ジョイさんも、個性的で強い眼力が、印象に残ります。次作も、必ず観ます。残念ながら、劇場公開は終わってしまったようですが、近いうちにWOWOWで放送されるはずです。とても愉しみです!早く観たいです。