長介の髭 消えないままの痛み

犬と本と漫画、映画にドラマ、ときどきお出掛け。消えない傷を残して、前に歩む毎日。

未来のために

湊かなえさんの『未来』を読みました。これまで読んだ本の中でも、一番に悲しい話でした。
彼や彼女たちが向き合ってきた過酷な出来事に、ただただ圧倒されてしまい、言葉が出ません。

「人間も初期化出来るといいのにね」

実際に彼や彼女たちが、勇気を出して「助けて」と叫ばなければ、周りの大人たちは、誰も彼や彼女のたちに気付かないのでしょうか?是枝監督の『万引き家族』を思い出しました。
いや、あの“家族”の方が、まだ救いがありました。
単行本で445ページを、一気に読みましたが、もう一度読み直すことは出来そうにありません。
何かのインタビューで、湊かなえさんご自身がおしゃっていましたが、この作品の映像化は難しいと思います。それほど悲惨で悲しい話です。そんな作品の題名が『未来』というのには、深い意味があるのでしょう。