長介の髭 消えないままの痛み

犬と本と漫画、映画にドラマ、ときどきお出掛け。消えない傷を残して、前に歩む毎日。

本格派ですね

麻見和史さんの『骸の鍵』を読みました。WOWOWでドラマ化された『石の繭』以来、全作品を読破し、新刊が出ると必ず読んでいる作家さんの一人です。

題名の感じで、またあの警視庁捜査一課第十一係シリーズかと思って読み始めましたが、残念ながら、如月塔子刑事も鷹野刑事も出てきませんでした。代わりに、別の女性中堅刑事の城戸葉月とまだ新米の沖田刑事が出てきます。二人が遊撃班として“筋読み”を担当するところは、如月・鷹野コンビと同じです。男女が入れ替わっていますが。今後、こちらもシリーズ化されるのでしょうか?

茶褐色に染まった新聞紙。そこから少し覗いている、細長い物体。それは人間の腕だった。

切断された女性の腕を一般市民が発見するところから話が始まるのは、宮部みゆきさんの『模倣犯』と同じです。あちらは公園のゴミ箱でしたが、こちらは駅前のコインロッカーです。そして、“鍵”が事件解決のカギとなります。“鍵”のミステリーと言えば、貴志祐介さんの防犯探偵・榎本径シリーズを思い出します。この作品にも鍵のプロフェッショナルが登場します。警察と鍵屋さんは、何かと関わりがあるようです(そう言えば、『模倣犯』には建築探偵が出てきましたね)。 

自分は小学校の作文で、将来、なりたい職業として“刑事”って書いた記憶があります。たぶん、好きだったテレビドラマの影響です。確か、毎週金曜日の夜8時でした。さらに夕方に再放送もやってました。新宿の超高層ビルとやたら走るシーンが多かったあのドラマです。自分は、ジーパン刑事が一番好きでした。その次はマカロニ刑事です。2人の殉死シーンをよく友だちと真似をしましたね。その流れで、“探偵もの”も好きでした。工藤ちゃんや修ちゃんに憧れていました。

それと、その頃はコナン・ドイルヴァン・ダインエラリー・クイーンアガサ・クリスティと海外の推進小説ばかりを読んでいました(考えてみたら、この頃から全作品を読んでいましたね。さすがにアガサ・クリスティは多過ぎて無理でしたが、それでもポアロ・シリーズは結構読んだと思います)。麻見和史さんの作品は、連続猟奇殺人事件が多いので、どちらかと言えば、エドガー・アラン・ポーの系統でしょうか?これからも、麻見和史さんの新作が楽しみです。それとWOWOWで、また木村文乃さんの如月塔子が見たいと思います。